
債権譲渡契約書とは?メリットは?
文字だけ見ると非常に難しいイメージを受けてしまいますね。ただでさえ債権と債務という言葉は慣れていないと使いづらいものです。
そこに譲渡や色々なルールが入ってくるとかなり複雑に感じるかもしれません。
それではなるべく簡単に債権譲渡契約書について説明しつつ、重要な注意点やメリットをご紹介したいと思います。
□債権譲渡契約書とは?
まず、債権譲渡を分かりやすいように噛み砕きたいと思います。
債権とは、お金を返してもらう権利ということです。
そして譲渡はその権利を誰かに譲り渡すということですね。
2つ例を挙げてみましょう。
1つ目は個人間での債権譲渡のケースを見てみます。
あなたがAさんに10万円を貸していたとしましょう。この時、あなたはAさんに対して10万円の債権があることになります。
通常であればAさんから10万円を回収できるはずでした。しかし、なぜかAさんと音信不通になってしまい、回収ができそうにありません。
その時、あなたとAさんの共通の知り合いのBさんは、Aさんと問題なく連絡がとれているという情報を知ります。
そしてBさんであればAさんから10万円の回収ができそうです。
あなたは自分の債権をBさんに渡して、BさんがAさんから回収するほうがうまくいきそうです。
そこであなたは自分の債権を8万円でBさんに渡すことにしました。このときに、あなたとBさんの間で結ばれる契約こそ債権譲渡契約書なのです。
10万円をまるまる回収できないよりは、8万円でもお金が返ってきたほうがいいという判断もできます。
上記の例は、分かりやすくするために状況を簡潔にしています。
2つ目の例では、実際のビジネスシーンを元にご説明します。
例えば、あなたの会社がA社に商品を納入したとします。しかし、A社は支払いの期限にその商品代金の100万円が手元になく、代金を払えません。
このままだとあなたの会社は入ってくるはずの売り上げがなくなってしまいます。
しかし、実はA社はB社に対して、100万円の売掛金をもっていました。
このB社は非常に健全な会社で、この売掛金100万円は回収ができそうです。
このような時、A社からB社の売掛金100万円の債権を譲渡をしてもらうことができます。
その際に結ぶ契約が債権譲渡契約書になります。
□債権譲渡のメリットとデメリット
上記の例にも少しこの内容を入れましたが、債権譲渡のメリットは、自分が回収できないお金が、他の人であれば回収できる場合に、回収できそうな人に任せることができるという点です。
債権の回収は意外と骨が折れますし、時間もかかります。
また、人を変えた方がすんなりといくことも多いのです。
このような時には非常にメリットのある仕組みとなるでしょう。
ではデメリットは何でしょう。
もしあなたが債権を貰った側の場合、その債権が本当に回収できるものかどうかの判断が難しいという面があります。
おいしそうな債権だったはずなのに、蓋を開けてみたら毒が入っていたということもあるのです。
相手に回収できるお金がなければそもそも回収もできません。
無い袖は振れないということですね。
□債権譲渡で注意する点
債権を譲渡する場合に注意しなければならない点があります。
それは『通知』です。
もしあなたが、債権を誰かに譲渡した場合、債務者(あなたがお金を貸している人間)に、債権を譲渡したことを通知しなければなりません。
一般的には、配達証明付きの内容証明で通知を送ったりします。
こうすることで、通知したことを郵便局が証明してくれるのです。
債権譲渡と債権譲渡通知書は、対になっていると覚えておくとよいでしょう。
また、確定日付というものも大事なポイントです。
実際の社会では、債権1つに付き、債務が1つというケースだけではありません。
たくさんの債権者がいる場合があります。
例えは悪いですが、1人の人に何人もの取り立て屋がいるようなものです。
この時、債権を回収できる順番が決まっていなければ、早い者勝ちになってしまいます。
それを防ぐために、譲渡が確定した日にちが大事になるのです。
これも、通知を送付した際の郵便局印などが判断材料になります。
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